GICSS 2019年度新人通訳ガイド実務研修<大阪>がとよなか男女共同参画推進センターすてっぷをメイン会場として5月2日(木)~5月5日〈日)に開催され、今年通訳ガイド試験に合格された方々を中心とした新人通訳ガイドの皆さんに受講していただきました。講師はランデル先生、松岡先生、福井ミッキー先生、田村先生、吉田先生、受講生はオリエンテーション、全体研修のあと各グループに分かれそれぞれの講師のもとで少人数かつ密度の濃い研修を受けることができました。
合格したばかりの新人通訳ガイドにとって通訳ガイドの仕事はどういうものなのか、漠然とイメージはしていても実際にはどんな動きをすれば良いのか、ガイドに求められるものは何か、そして、お客様に接するときに心がけることはどんなことなのか、などなど通訳ガイドとして希望で胸高鳴るのと同時に不安や疑問も大きくなりがちです。しかし、「ツアービジネスの基礎知識」「空港・ホテルのトランスファ」研修でランデル先生はじめ講師の方々がガイド業界の現状をはじめ、今後の展望や心構えなどを交えてそうした疑問、不安を一つ一つ取り除くように丁寧にわかりやすく説明して下さいました。はじめは緊張した面持ちだった受講生の皆さんもしだいに楽しい雰囲気に包まれ、笑顔でいっぱいの研修となりました。「ナイトツアー演習」研修では宿泊先での宴会等で外国からのお客様をおもてなしする練習を実践さながらに体験することができました。一同大きな輪になって炭坑節を皆で踊ると自然と一体感が生まれ、お客様と楽しい時間が過ごせることに気づきました。
各グループに分かれてからはそれぞれの講師のもとで小クラスの研修となりました。ここでは外国からのお客様が興味を持ちそうなさまざまな話題を話す「ジェネラルトピックス」を練習しました。お客様が知りたいと思うことを短い時間で簡潔に楽しく伝えるのは、実際にやってみると案外思うようにいかないことに気づかされました。自分のスピーチがしっかり相手に届いているか、表情は良いかなどを講師をはじめグループのメンバーからアドバイスしてもらえる貴重な機会となりました。研修期間中何度も話をするので、人前で話す練習を積み重ねることもできました。
研修の後半は貸切バスを利用して京都・奈良へ向かいました。バスの中では実際にマイクをもって今まで練習してきたジェネラルトピックスを披露しました。初めに先生がモデルガイディングを見せ、その後順番に一人ひとり話しました。これから行く観光地の説明をしたり、車窓から見える景色を臨機応変に解説したりとどれも初めて経験することばかりです。京都・奈良では実際に観光の重要なポイントをお客様にご覧いただきながら説明をする、まさにガイドの大切な役目のひとつを実体験できました。講師からは細かい改善点も指摘していただき、研修テキストにメモをとるのにも必死でした。団体チケットの買い方や迷子を出さない工夫、駐車場やトイレの場所の確認、そして食事の際の段取り等、参考にしたいことが山ほどありました。旅行者としての立場とガイドとしての行動とでは全く違うことに驚きを隠せませんでした。
研修では、講師の方々から通訳ガイドの魅力や苦労したこと等をたくさんお聞きする機会に恵まれました。受講生にとっては質疑応答の時間もしっかりとれて疑問点を一気に払拭することができました。
最後に、コンペスタイルの「ロールプレイ実習」をしました。グループごとに代表者を選び、皆の前でスピーチをします。今回の研修の集大成として一人ひとりが培ってきた実力を出し切りました。コンペ上位獲得者には素敵なプレゼントが贈られ講師をはじめ受講生全員で栄誉を称えました。カリキュラム全体を通して内容が盛りだくさんでハードな面もありましたが、密度の濃いとても充実した研修でした。
GICSS新人研修では通訳ガイド業務の全体的な流れを把握することができました。そして、今後に繋がる課題点を発見することができました。ここがガイドとしてのまさにスタート地点です。これから実践を積み重ね、さらにさまざまな研修を受けて研鑽に励み、常に成長していくことが求められます。GICSSでは講師をはじめ事務局スタッフ一同、全力で新人通訳ガイドをサポートしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。今回ご参加してくださった皆様、ありがとうございました。これからのご活躍、期待しております。
<記事:城戸弘明>
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